入居者インタビュー(本田豊明さん 日本みどりの食料システム推進協議会 理事)

10月2日、知のアトリエ内においていちごを始めとした食物栽培を行っている、本田豊明さんをお招きし
NTTデータだいち社員を交えてインタビューを行いました。入居されたきっかけから、現在の栽培状況について
インタビュー要約記事と栽培風景を掲載します。

目次

廃校を活用した新たな果樹栽培プロジェクトへの挑戦

今回は、廃校を活用したビニールハウスでイチゴや亜熱帯果実の栽培に取り組む本田さんにお話を伺いました。事業立ち上げのきっかけから、最新の環境技術を活用した今後の展望まで、熱い想いを語っていただきました。

1. プロジェクト立ち上げのきっかけ

 * ご縁と出会い: 沖縄でお酒の製造・流通に関わる方や、地元の関係者とのご縁がきっかけとなり、今回のプロジェクトが動き出しました。

 * 廃校利用の背景: 全国的に深刻化している「廃校問題」の解決と活用を目指し、使われなくなった学校の施設を利用した農作物の栽培に着手しました。

 * 地域貢献と社会課題の解決: 単に農作物を育てるだけでなく、地域の高齢者の雇用創出や、将来的な食料不足への対策も見据えた取り組みとなっています。

2. 廃校施設での栽培と直面した課題

 * 当初の構想と規模: 当初は体育館を活用し、足場管(48.6mm)等を用いて5段・約3000株規模の立体栽培を目指す大がかりな計画でした。

 * 建物の老朽化という壁: 実際の現場を確認したところ、屋根の老朽化による雨漏りや鳥の侵入など、予想以上に補修費用(推定1,500万円以上)がかかることが判明し、規模や方法の再検討を余儀なくされました。

 * 新たなスペースでの始動: 埼玉での事前テストや関係者との現地確認を経て、条件の整うスペース(幅9m×奥行き25m程度)へと規模を調整し、12月31日の年末ギリギリに設置を完了させてスタートを切りました。

3. 現在栽培している作物と環境管理

現在は施設内で主に以下の3種類の果実を栽培・養殖しています。

 * イチゴ(苗): 主力産品として栽培。

 * バナナ: 沖縄から持ち込んだ苗を埼玉県内のハウス等で養殖・定着させた品種。

 * パイナップル: 沖縄から株を調達して育成中。

【ハウス内の環境調整】

植物ごとの適温に合わせるため、ハウス内を3つの区画に仕切って管理しています。

 * 高温エリア(バナナ・パイナップル): ビニールで仕切られた3m幅のエリアで高温を維持。

 * イチゴエリア: 残りの6m幅エリアでイチゴの生育に最適な温度設定を実施。

4. 高熱費問題と次世代エネルギー「ペロブスカイト太陽電池」への期待

室内やハウス内での通年栽培(特に夏イチゴの栽培や冬場の加温)において、最大のネックとなるのが「高熱費・電気代」のコストです。

 * ペロブスカイト太陽電池の可能性: 現在、次世代の再生可能エネルギーとして注目されている薄型・軽量・曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」の導入に強い期待を寄せています。

 * 将来の展望: 国や自治体の後押しにより、ペロブスカイト技術が低価格で普及・導入できれば、光熱費を大幅に抑えた持続可能な植物工場・ハウス栽培が実現できると考えています。

【現地レポート】ビニールハウス探訪!イチゴ・バナナ・パイナップル栽培の裏側に迫る

イチゴ屋さんのビニールハウスにお邪魔し、実際の栽培現場を見学しながらお話を伺いました。イチゴだけでなく、南国のバナナやパイナップル、さらにはちょっとユニークな野菜までが生き生きと育つハウス内の様子をお届けします。

1. イチゴ栽培と蜜蜂の活躍

  • これからの成長に期待: ハウス内のイチゴはきれいな葉を広げ、白い花を咲かせています。
  • 受粉を支えるミツバチ: イチゴのきれいな実を慣らせるためには、ミツバチによる交配(受粉)が欠かせません。蜂を飛ばすタイミングや花数の管理など、細やかな手入れが行われています。
  • 水滴が教える元気な証拠: 葉のふちにキラキラとした水滴(水孔からの排出)がついており、株がしっかりと水を吸い上げて生き生きと育っている様子が確認できます。

2. 見上げるほどの迫力!南国バナナの栽培

  • 圧倒的な大きさと成長力: ハウス内でも一際目を引くのが、天井近くまで大きく育ったバナナの木です。葉の1枚1枚が手で比べものにならないほど巨大で、まるで植物園のような迫力です。
  • 株分けと収穫への道のり:
    • 実をつけた後の親株を切り、そこから出てくる子株(新芽)を分けたり、根を残して次の世代へとつないでいきます。
    • 通常は実がなるまでに葉が40枚近く増える必要があり、約3年ほどかかりますが、条件が完璧に整えば1年ほどで実をつけるケースもあるそうです。
  • 手入れの大変さ: 天井に届くほど大きくなるため、高所作業用の脚立やハシゴを使い、フィルムに届いてしまう葉をカットするなど、日々のメンテナンスには相当な労力がかかっています。

3. パイナップルやその他の作物たち

  • パイナップルの育成: 鉢や棚でパイナップルも栽培中。小さな実をつけている株もあり、今後の成長が楽しみな状態です。
  • 日当たりと配置の工夫: 日照量を確保するため、棚の設置場所やフィルムの補強など、常に改善を重ねながら管理されています。
  • ハウス内のちょっとしたお楽しみ: ハウスの一角では、気休めや実験としてアスパラガスやカボチャなども植えられており、遊び心と工夫に溢れた空間になっています。

ハウス内は区画ごとに温度管理がなされており、一歩足を踏み入れると温かな熱気を感じます。試行錯誤を重ねながら、イチゴをはじめとする多種多様な植物を愛情込めて育てている現場の熱気が伝わってくる見学となりました。

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